講師の杉本です。今回は、N 会員様の水彩画をご紹介します。(サイズはF6号)

水中に浮かび上がる、重力に囚われないクラゲの動きが伝わってきます。
水中の彩色では、絵具の透明性を活かした塗り重ねにより深みを生み出しています。
羽衣のようなクラゲの口腕(もしくは水泡)には、細密な表情を描きこんでいる部分と暗闇に溶け込む部分の両方があり、水の揺らぎを感じさせます。
この作品の画題となったのは、新江ノ島水族館におけるクラゲの展示風景です。ご自身が撮影した写真を元として、オリジナリティのある構図を決める事が出来ています。そして、クラゲや色彩の濃淡をただ描き写すのではなく、図像の互いの重なり合いの描き分けを意識する事によって、空間の奥への広がりを表現しています。遠くの光源からぼんやりと照らし出された、海中の浮遊する世界に誘われるような一枚です。
N会員様は水彩画を描かれており、毎回の制作で高い技術を磨かれています。これからもリアルな表現と自由な筆遣いを両立させて、ご自身の世界を広げてほしいと考えています。次回作も期待しております。

