山崎会員さまの作品紹介

こんにちは、水曜日と日曜日を担当しています講師の永瀬です。
今回はメッツ銀座絵画教室にご入会されて、2年近くになる山崎会員さまの作品を
ご紹介します。
山崎会員さまは約1年間デッサンを経験された後、現在まで水彩画を制作されています。
 
最初にご紹介するのは、
山崎会員さまがデッサンの課程を終えられた最後の3枚のデッサンです。
 

エジプト石膏像のデッサンです。明るめのハーフトーンがとても美しいです。
石膏の白さがよく伝わってくると同時に、
頭部や頬の稜線をしっかりと捉える事が出来ていますね。
 

次は着色された木彫りの人形のデッサンです。
荒削りな木彫りの形体感がとてもよく表現されています。
ただ、頭部が実際のものより少し大きい印象になってしまいました。
プロポーションの全体のバランスをさらにじっくり観察できると、よりよいと思います。
 

最後はアバタのヴィーナス石膏像のデッサンです。
顔の印象をとても丁寧に、繊細に捉えられています。
明るめの調子の諧調がとても豊かで美しいです。
石膏像の重量感の表現が、今後の課題となるでしょう。
1年間デッサンを描く事で、描く対象の形や質感、形と影との関係、画面と描く対象の
配置などをしっかりと捉えられ習得なさったと思います。
 
デッサンで習得なさいました描き表す技術を、山崎会員さまは水彩画で次のステップに
移られました。
 
最初にご紹介するのは、山崎会員さまが水彩画を始められて、2枚目に描かれた作品です。
 

テーブルの上に水色と白のストライプの布を敷き、レーズンパンとブロッコリー、ザクロを置いた、静物水彩画です。
明るい色調がとても美しいです。発色が良く、色の濁りがほとんどなく、透明水彩絵の具の特性をとても活かせいていますね。
デッサンの経験を活かして、それぞれのモチーフを立体的に表現出来ています。
また、それぞれのモチーフの前後、左右の位置感の違いも良く表現できていますね。
 

次にご紹介するのは山崎会員さまが3枚目に描かれた水彩画です。
アンティークの本にオーム貝をのせて、ざくろとマンゴーを配置した静物画です。
オーム貝の、光沢のある薄く硬い質感が丁寧に描き出されています。
アンティークブックの雰囲気もよく出ています。
マンゴーの張りのある質感や、緑からピンクへ色味が変わる様もよく表現出来ていますね。
ザクロの表現は少し浅く見えます。さらに描き込んでも、よいのではないでしょうか。
今回も透明水彩の発色がとても美しいですね。
 

次にご紹介するのは、ブラックバスの模型と貝殻、ヒトデを青い布の上に配置した
作品です。
それぞれのモチーフがとても生き生きと表現されています。
ブラックバスの鱗の光沢や、貝の模様、ヒトデの凹凸など細部の表現に
とても魅力があります。
また、青い布を、海と砂浜に見立てて描いていることも、作品の臨場感を高めていますね。
 

最後にご紹介するのは、青いドレスを着たフランス人形を描いた作品です。
人形のたたずまい、顔の表情など、とても愛らしく、美しく表現されています。
ドレスの白いレースでは、マスキング液を使って細部まで繊細に表現しています。
青いドレスの色味は、光がよく当てっている前面、帽子の裏で影になっている所など
それぞれの部分で、丁寧に混色して、彩色しているので、とても柔らかで自然な印象です。
 

制作中の山崎会員さまです。
次は写真を元にした風景水彩に取り組んでいらっしゃいます。
 
山崎会員さまの制作は、モチーフの観察がとても丁寧です。
また、色感が素晴らしく、色彩の美しさに毎回驚かされています。
水彩絵の具の扱いはとても理にかなっていて、
その特性をとても引き出せていると思います。
 
これからも静物、風景、人物など様々なモチーフと向き合って、
作品制作を楽しんでいただきたいです。