小林会員様 作品紹介

メッツ銀座絵画教室、土曜担当の三津です。
 
こんな寒さの中、もう木瓜が蕾をつけ始めていますね。
春が待ち遠しいです。
 
今回のブログでは小林会員の作品を紹介させていただきます。
小林会員は今回の作品で5枚目のデッサンになります。
1枚目のデッサンから初心者とは思えない密度のあるデッサンを描かれていましたが、枚数を重ねるごとに基礎技術、知識を習得し、絵を描く歓び、楽しみを感じ、それと同時にものを観察すること、3次元のモチーフを2次元の平面(紙面)に起こす難しさを実感されているように見受けられます。
では小林会員の作品をご覧ください。


こちらが一枚目のデッサンです。
観念にとらわれることなくモチーフをよく観察していて、鉛筆の色幅もしっかりと出ています。
一枚目のデッサンとしてはかなりいい仕上がりです。
 

こちらが2枚目です。
瓶の底の楕円と注ぎ口の楕円の微妙なパースの違いを出すのに苦労されていました。
色幅も1枚目に比べるとやや少なくなっています。
メッツ絵画教室では入会していただいた会員様に、まず果物や野菜などの有機形体、瓶や缶などの日用品、工業製品を交互に描いていただきます。
人によって有機物の方が得意な方、工業製品等の方が得意な方がいらっしゃいますが、小林会員の場合は有機物の方が得意なようですね。
 

こちらが3枚目。
丸パンと紅茶缶です。
モチーフが二つ以上出てくる場合にはモチーフの特徴、質感の差をしっかりと出していかないといけません。
こちらの作品ではパンの柔らかさと缶の硬さの差を意識して制作していく必要があります。
小林会員は2枚目同様、紅茶缶上面、各辺の傾きがなかなか合わせられませんでしたが、時間をかけて修正し、モチーフごとに鉛筆の使い方を変えながら質感の差を出すことに成功しています。
 

4枚目です。
もう一度瓶にチャレンジです。
前回の瓶では明暗の差が曖昧で、形体感が出せていませんでしたが今回は透明な瓶の形、ガラスの硬い質感が捉えられています。
ただまだモチーフの上部、下部での楕円の傾きの違いに多少狂いがありますね。
 

制作中の小林会員様
 

今回のモチーフです。
 

こちらが今、制作中の5枚目。
布をもった手の石膏です。
石膏の白さを意識しながら、柔らかなトーンで進められています。
微妙なトーンの違いにもよく反応出来ているので淡い明暗の差がしっかりとした形体感に繋がっています。
鉛筆の扱いにも徐々に慣れてきた事で的確なトーンが時間をかけずに作れるようになってきました。
背景にも手を入れることで、モチーフがどんな空間に存在しているかを感じる事が出来ますね。

完成が楽しみです。