こんにちは。銀座校の木曜日と金曜日担当の講師の森です。
今回は塚原会員さまの透明水彩の作品を二点紹介したいと思います。
まずは一点目。
これは、ルネサンス期のヴェネツィアの画家・ジョルジョーネの「嵐」(原題:La Tempesta)から、一部を抜粋して模写した作品です。
本物の「嵐」は油彩で描かれています。
なので、画材や技法、色使いなど様々な点が異なる状態での模写でした。
しかし、いつも淡い色使いで描かれている塚原会員さまが、何度も色を塗り重ねて、西洋画の濃くて深い色を再現されています。空に光る稲光や暗い水面、遠くの建物など、元の絵でも特徴的だったところをしっかりと描けていますね。
そしてその後に描かれたのが、次の二点目の作品です。
こちらは写真を基に描かれました。
緑に囲まれた橋の風景が繊細に描かれています。
デリケートでありながら、淡く塗られた色彩の中に、木の緑や橋の影など、ところどころしっかりと塗りこまれた部分がアクセントになっています。
ジョルジョーネの模写を行って以降、少し色の使い方が変わってきたように感じます。
おもしろい展開だと思います。
制作中の塚原会員さまです。
最近はより厚塗りできる不透明水彩やアクリル絵の具に興味をお持ちです。
ひとつの画材からどんどん展開していき、自分に合った表現を探すのも重要ですね。
次回作も期待です!