メッツ銀座絵画教室、月曜、土曜担当の三津です。
今回のブログでは先月開催した、企画講座「線描で花を描く」の
様子をお伝えします。
まず、先日のブログにて森講師がお伝えした今回の企画の趣旨を紹介します。
「線は絵を描くうえで最もシンプルで身近な表現方法だと思います
特に、植物や花を詳しく描くのに線描は相性が良く、
普段なにげなく見ている花弁や葉の形なども、
改めて観察してみると、複雑な形をしていたり、
美しい曲線になっていたりすることに気が付きます。
普段の鉛筆デッサンでは、立体感を出すために鉛筆の色を付けるように
言われることが多いと思いますが、あえて線を主体にして描いてみると、
一本の線を引くのにも、しっかりとモチーフを見ないと
なかなか上手くいかないことに驚くかもしれません。
水彩画を描いていらっしゃる方も、この機会に、着彩前のデッサンを
見直してみると良いかと思います。
上記のとおり、今回は物(モチーフ)をしっかり観察することで見えてくる情報、
特性が作品に表れると良いなあと思いながら指導させていただきました。
普段の授業では花を描く場合は造花を使っているのですがやはり生花は
細部まで見ていくと面白い情報がたくさんありますね。
こちら授業風景
皆さん、食い入るように薔薇を観察されていました。
こちら江川会員の作品
花びら一枚一枚、薔薇の葉の特徴も良く捉えられています。
手で待って近距離で観察していたので花弁の向きと葉の向きに少し
違和感がありますが今回の主旨である徹底した観察はしっかりできています。
小松会員の作品です。
花の額の部分、葉の根元が細かに観察出来ていますね。
小松会員は普段水彩をじっくりと時間をかけて制作しています。
こういった企画に参加されて時間制約がある中で描くことで
新しい発見が出来ると良いですね。
安井会員の作品です。
花弁の柔らかさ、薔薇の花の特徴が良く捉えられています。
今回は水彩を3層ほど重ねて濃淡を出しているのですが
一層一層丁寧のかさねることで黄色の色幅がとても綺麗ですね。
葉っぱに関してももう一二層重ねられれば良かったですね
荻野会員の作品です。
葉を描く場合左右に伸びる葉は描き易いのですが、
手前奥に伸びてくる物や裏返った葉を描写する事はなかなか難しいです。
しかしそういった所が描けると絵の強度はしっかり出てきます。
今回の作品では花も良いのですが葉の少しくたった感じや
上記の表現が良く出来ています。
最後にマックラクラン会員の作品です。
こちらの作品も花びらの柔らかさが良く出ていますね。
花弁の中心部分はもう少し描き込んでも良かったとは思いますが
下を向いた2枚の花弁がとくにいいです。
全員に言える事ですが葉の暗さをもっと出す事で花の色味が
もっと引き立つと思うのでそこの対比がもっと出せると良かったですね。
こちら講評の様子です。
短い制作時間の中、皆様しっかり集中していたので時間が経つのが早かった、
結構疲れた、という感想が多かったです。
絵を集中して描くのは結構な体力を使うんですよね。
時間制約があると普段の制作では持ちにくい緊張感が持てて良いですね。
企画講習参加いただきありがとうございました。
お疲れ様です。