メッツ銀座絵画教室、月曜、土曜担当の三津です。
ご紹介が遅くなりましたが今回は年末に行われた企画講習会、
『【水墨画】猿を描く』の様子をお伝えしようと思います。
こちらが授業風景です。今回は午後のクラスが5名、
夜間クラスが2名の会員が企画に参加して下さいました。
今年の干支の猿をテーマにしているので、年賀状に使われる方、
額に入れて今年一年部屋に飾る方等、それぞれ楽しみながら制作されていました。
墨を扱う場合、難しいのは濃淡のコントロールかと思います。
半紙に描く場合濡れている時と乾いた時とで墨の色が変わってしまうので、
薄墨、中墨、濃墨と3種類ぐらい墨を用意しておくと調整がしやすいです。
部分的に色が付いている所は墨で描き終えた後、
紙の裏側から顔彩で着色しています。
それでは作品を紹介していこうと思います。
ミエコ・マックラクラン会員の作品です。
墨の濃淡をしっかりと意識出来ています。
その上で薄い墨を何度か重ねる事で複雑な
中間層のグレーも獲得出来ています。
江川会員の作品
子猿の表情に苦心されていましたが、結果親猿の優しい表情、
子猿の甘えた雰囲気も表現出来ていますね。
家に帰ってから文字を書き入れる為に右側に余白を残しています。
完成形を見せてもらうのが楽しみですね。
小松会員の作品
長沢芦雪の襖絵の部分を参考に描きました。
水墨で描く場合、余程上手くならない限り
実際の作品と寸分違わぬものを描くことは難しく、
それよりも筆の勢いや、墨の現象をいかに作品にしていくかを
楽しめれば良いと思います。
実際の猿より人間じみた表情になりましたが、
なかなか味のある作品になりましたね。
松岡会員
こちらは竹内栖鳳の部分を参考にしています。
選ぶ段階でかなり難易度が高いとお伝えしましたが
果敢に挑戦されました。
何枚も何枚も描き直して実物とは違うものの
迫力ある作品になりました。
越智会員
こちらも竹内栖鳳を参考した作品。
日本猿の特性として口の位置がもう少し前にせり出ているんですが。
そこが少しつぶれてチンパンジ―に近くなりましたが、猿は猿です。
身体の部分の刷毛による筆跡が上手くはまってかっこいいですね。
金会員の作品です。
こちらも前出の長沢芦雪の作品を元にしているのですが
ちょっとずつの位置のずれ、濃淡の違いで、
表情や体の動きが変わってくるのが面白いですね。
素敵な仕上がりです。
藤波会員
藤波会員はかなり洋風な猿に仕上がりました。
水墨の表現は物の省略化、線による表現も多いので
このような見せ方も面白いですね。
色使いも自由で可愛らしい作品です。
今年年末にもまた干支をテーマに企画授業をする予定なので
ご興味ある方は奮ってご参加下さい。