大石会員さまの石膏デッサン

こんにちは、金曜担当講師の山田です。
今回は大石会員の作品をご紹介します。
大石会員は基礎デッサンを終えてから、石膏を描き続けています。
白いモチーフは純粋に光と影で構成されているので、基本の明暗の調子を学ぶのに非常に適しています。
 

最初の石膏デッサン、あばたのヴィーナスです。
構図が右寄りになってしまったのがおしいですが、顔の立体感はよいですね。頭部の形が、表面の見えている部分だけを追っていてまだ弱いです。
 

サモトラケのニケ。前傾でひねりのある動きを表現するのが難しいと思いますがよく描けています。
左肩を手前に、左足をもっと奥に感じられると更によいですね。
 

ヴィーナス横構図。
真正面や真横は奥行きの表現や自然な身体の動きを出すのが難しい構図ですがチャレンジしました。頭部に量感がでてきました。首はまだやや弱いです。
 

これは石膏ではないのですが、白いマネキンの手です。
石膏とは違った質感がよくでています。目には見えませんが、骨格や筋肉をしっかり意識して描きました。こういう複雑な形は特に、見える所だけを追うのではなくて、指が重なって隠れている部分もしっかり意識して描くことで説得力のある形を捉える事ができます。
 

女性トルソ。正面を描いた後の後ろ構図です。
骨格と筋肉をよく観察しました。見えない向こう側を意識することによって、量感もよくでています。肩の回り込んでいく部分は特に丁寧に見てあげないと形が弱くなってしまう所ですが、しっかりと描きました。
首や太もも元かかりのない大きな円柱なので難しいのですが、これも量感がよくでています。
ひとつの人体の、しなやかで自然な動きや美しさがよく表現できた、今までの集大成となった素晴らしい一枚だと思います。