小松会員さま 作品紹介

メッツ銀座絵画教室、月曜、土曜を担当している三津です。

すっかり春めいてきましたね。
今日の朝、新橋から教室まで歩いてきたら軽く汗ばんでしまいました。
銀座の街も暖かくなると人出も多くなってきて活気に溢れてきています。

今回のブログでは小松会員の作品を紹介させていただきます。
小松会員は今回の作品で2枚目の水彩になります。
前段階でしっかりとデッサンを経験し、自分の持っている個性、特性を把握していたことで水彩に移行しても小松会員の個性を感じる魅力的な作品が描けています。
 
絵画作品と言うのはその作品から作家自身の興味や視点が感じられる事がとても大事になってきます。
同じモチーフを描いていても描く人が違えば着目点は個々で違うのは当然で、人によっては色彩、また別の人であれば形態、空気感、表面情報、等等、描いた本人が何に興味を持ち、何をことで表現したいかは絵を描くことに於いてかなり重要な問題になってきます。
 
では小松会員のデッサンと今描かれている水彩作品を比較していきましょう。
まずはデッサン作品です。
 


どちらの作品もモチーフの持つ情報をしっかりと観察し、丁寧に描き上げられています。
繊細な鉛筆の重ねが豊かなグレーの表現に繋がっています。
 
 
下の画像が水彩作品です。

こちらが1枚目です。
こちらの作品では鉛筆で7~8割描き上げてから着彩していただきました。
水彩絵具も極薄く塗り重ねて頂き、複雑な色味が表現されています。難点を挙げるなら背景の布の空間性が弱いことでモチーフが同一空間上に乗っておらず少しバラバラした印象がありますね。
しかし水彩表現の一枚目としては素晴らしい仕上がりになっています。
 

そしてこちらが完成した2枚目の作品です。
1枚目とは少し描き方を変えて、今度は鉛筆での下書きを少なくして、水彩絵の具を多用した表現になっています。1枚目の作品はまだ水彩絵の具に不慣れな部分があり、小松会員の良さ、個性が出しきれていない印象もありましたが、今回の作品ではモチーフのそのものらしさ、特性、表面情報をしっかりと捉え、色彩豊かな作品に仕上がりました。最後の方の仕事で面相筆による細かい描写をしたらどうかと指導したところ、結果それが功を奏しました。
 
これまでのデッサン経験によって身に付けた繊細な重ねによってでるグレーの綺麗さは色彩の豊かさに繋がり、デッサン、水彩共に明るい色調の中での表現になっています。
 
これから水彩絵の具に慣れていくことでもっと小松会員らしさのある作品を作っていきましょう。