岩崎会員さまのデッサンご紹介

こんにちは。
メッツ銀座絵画教室の水曜日と日曜日を担当しています講師の永瀬です。
 
今回はご入会されて約一年になる岩崎会員さまの作品をご紹介します。
岩崎会員さまは、ほぼ未経験でご入会され、
現在まで月2回の受講で、鉛筆によるデッサンの制作に励まれています。
 
最初にご紹介するのはトマトとレモンのデッサンでです。

モチーフを丁寧に観察して描かれています。
鉛筆の濃淡で立体感、空間を表わすことが出来ています。
トマトの濃い色味とレモンの明るい色味の違いもよく表現出来ていますね。
モノの輪郭の表現が少し固く見えます。
台からの反射光の存在を意識して、輪郭付近の調子に抑揚をつくれると
よりよいでしょう。
 
次にご紹介するのはパンと苺のデッサンです。

とても美味しそうに描かれていると思います。
デッサンでは、モノの立体感、量感、空間を表わすのが第一義ですが、
「綺麗」や「美味しそう」などの感覚を呼び起こすことも、とても大事です。
このデッサンでは、とても丹念に鉛筆の調子を織り重ねて、
作品を上質なものにしています。
 
パンは柔らかで、香ばしい感じがします。
苺は、みずみずしく張りがありますね。
 
次にご紹介するのはワイン瓶のデッサンです。

人工物の幾何学的な形体をしっかりと捉えられています。
淡いところから濃いところまで、幅広くトーンを作りだして、
瓶の透明感を表現しています。
 
背景にうっすらと調子をつけているのも効果的ですね。
瓶の透明感や、台と瓶との関係を表わすことに役立っています。
 
次にご紹介するのは、丸太のデッサンです。

円柱状の形体感をしっかりと表現出来ています。
樹皮の表現も質感豊かで、魅力的です。
身の詰まった、濃密な表現ですね。
 
最後にご紹介するのはブリキと木で作られた象のオブジェのデッサンです。

モノが台の上に立ち上っている状態がしっかりと描かれています。
形体感の表現が的確で、形の印象が美しいです。
中間のグレーの色幅を丹念に増やすことが出来ているので、
木や金属の質感を豊かに表現出来ていますね。
 

制作中の岩崎会員さまです。
 
岩崎会員さまのデッサンには、
触れてみたくなるような、実際に触れられそうな、
触覚的な質感があります。
それはモチーフを観察する謙虚な姿勢と丁寧な調子の作り込みによって
もたらされているのだと思います。
その質感はデッサンの個性を際立たせ、魅力的なものにしていると思います。
 
これからもさまざまなモチーフを深く味わって、
制作を楽しんでいただきたいです。