こんにちは。メッツ銀座絵画教室、土曜日担当講師の安永です。
今回は、昨年8月の銀座校オープン時から通われている、田村会員の作品と成長の軌跡をご紹介致します。
田村会員は約1年の受講期間中、ご自身のペースを乱すことなく黙々とデッサンに取り組んできました。
その姿勢には頭の下がる思いです。
まずはかなり初期に描いた「相関体」
良く描けていますが、すこし台とモチーフの関係が不安定な印象がありますね。
描き込も今と比べると淡白に感じられるかもしれません。
「ブリキと木の象」の作品
この頃になるとグンと描写力が付いてきました。木の質感がとても良く描かれています。
ブリキの質感がもう少し出るとさらに完成度が増したことでしょう。
こちらは最近描いた「ニンニクと唐辛子と木」の作品
一年足らずで見違えるような進歩です。鉛筆の調子の幅が増え、個々のモチーフの色の差、
明暗の差をデリケートに描き出すことが出来るようになりました。
台とモチーフの関係もスムーズになり、卓上のモチーフ全体を一つの繋がりとして
捉えることが出来るようになってきまいた。
細部の描きこみも密度が出てきました。
このように様々なモチーフ描き、ついに先日、石膏像のメディチにチャレンジしました。
一心不乱にメディチ像に向かう田村会員です。
やはり今までのモチーフとは違い石膏像は形の狂いがとても目立ちやすいモチーフです。
田村会員もはじめの描き出しは形を捉えるのに苦労されていましたがデスケルなどを利用し
根気強く徐々に形の狂いを修正していきました。
そして完成したメディチ像です。
初めて描いた石膏とは思えない、隅々にまで丁寧に描きこまれたデッサンですね。
田村会員はゆくゆく水彩画を学びたいと仰っており、
デッサンで培った形や空間に対する意識が水彩画を描くにあたっても活かされてゆくことでしょう。
田村会員の水彩画が今から楽しみです。