選抜展出展作品ご紹介

こんにちは講師の佐々木です。
9月に開催いたしました「メッツ絵画教室選抜展」の出品作品の中から
永山会員さまの作品を紹介します。
 
20141014_01
『朝焼けとフランス菊』
この作品は市販されている写真集を元に描いたものです。大変時間を掛けられていて、花びらの一枚一枚まで細かい部分が表現されています。
写真を絵にするときは写真そのままを描き写すだけでは写真以下になってしまうので、写真から受けたインスピレーションを誇張してあげる必要があります。この作品では写真では分からない群生しているフランス菊の細部の様子と、朝焼けのグラデーションをいかに見せるかという所がしっかり練り込まれていて、絵としてとても魅力的なものになっています。
この写真では分かりにくいですが、近景の花は色や向きに変化を付けていて、自然な様子を表現されています。
どの部分を見ても永山会員さまの繊細さが伝わる素敵な一枚ですね。永山会員さまは現在、モネ風の風景画に挑戦されています。いかに細部を描かないで見せるかに苦心されていますが、そちらも完成が楽しみです。
 
 
 
こんにちは講師の山本です。
選抜展出品作品の中から松原会員さまの作品を紹介します。
 
20141014_02
『待つバラ』
日頃は水彩で早書きを訓練されている松原会員さまですが、本作ではマネの油絵画『ガラス花瓶の花』を参考に、ご自身でモチーフを組まれた写真を元に水彩画で描きました。
花の輪郭のぼかしとガラスの質感はシャープさの対比が良くでています。オレンジ色と白色のお花とバックの青色の配色が綺麗ですね。
油絵に比べて描き直しが難しい水彩画は絵具を重ねるほど色が濁ってしまいますが、少ない手数で花の描写を完成させており、瑞々しい印象を受けます。
参考にされたモネの絵は背景に同系色を使いながらも空間が感じられます。微妙な色むらが画面に奥行きを与え、最大限に花を引き立たせる効果を持たせていますが、この作品ではブルーの単色が強くなってしまい花とガラスの透明感がやや青色に染まってしまいました。
今後は更に難題な題材に挑まれると思いますが、毎回テーマを決め一枚ごとに力をつけていく松原会員さまに期待したいです。