木曜日を担当しております講師の安永です。
今日は高松会員さまの油彩画をご紹介させて頂きます。
半年以上を掛け描いたF15号の力作です。
海中で発光するクラゲと人魚が手を取り合う不思議な光景は、ご自身で探し選んだ
諸要素を、変形、再構成し創り上げました。
例えば人魚はドミニク・アングルの『泉』という作品からのイメージ元に描いています。
資料には頼らず描いた海中、海溝の表現ですが、ダイビングがご趣味の高松会員さま
ならではの熟知した状況設定を選ぶことで、画面にリアリティーをもたらしている点も見過ごせません。
海底部分は手前から奥へと明暗の差を作ることで深遠な空間の広がりを表現していますね。
この絵はキャンバスではなく木製パネルに下地材のジェッソを塗った上に描いています。
描き始めは油分を吸い込みすぎるジェッソ下地に苦労されましたが、時間を掛け絵具を重層的に描き重ねた結果、キャンバスとはまた違った柔らかな質を生みだしています。
素材に対する並々ならぬ拘りが光る、高松会員ならではの力作に仕上がりました。