こんにちは。月曜日担当講師の佐竹です。
夏の企画授業と致しまして、女性ヌードモデルによる「人体クロッキー」会を行いましたのでご報告いたします。
クロッキーは人体の構造を把握する上で欠かせない学習です。
じっくり対象を観察、時間をかけて描画するデッサンとは異なり、5分、10分の短いポーズの間に、全体のプロポーションを捉え、すばやく画面へ定着させます。
描画材料は通常デッサンで使用する鉛筆よりも、より描画の身振りが伝わりやすい、コンテ・パステルやクレヨンを使用しています。
これらの描画材の利点は、鉛筆のように先で描くことも、あるいは横に寝せて幅を持たせて一息に描くことも可能です。
8名の会員様にご参加いただきました。ほとんどが初めての人体クロッキー会へのご参加でしたが、合計10ポーズの内、ポーズ中にも次々に紙を換えて、集中力を持って制作に望まれました。
途中合評会を行い、制作のポイントを確認してゆきます。
中西会員様のクロッキーです。線描を主体に、ポイントとなる腰の手、右足、体重を支えている箇所をよく観察しています。線の強弱も躍動感があります。
重本会員様はクレヨンを使ってのクロッキーです。人体のフォルムに加えて、胸と膝のトップライトから腹部への奥行きを陰影で追いかけています。
右手にかかる上半身の負荷が強調されるとよい良いと思います。
西村会員様のクロッキーは、2色のクレヨンと指などの擦り込みを使用したハーフトーンが人体の柔らかさ、量感をよく表しています。
腰から上半身に至る女性らしいフォルム(形)も自然です。
永山会員様はパステルを使用しています。背骨を軸とした重心の移動、腰から肩口への傾きの変化をよく捉えています。
線に柔らかさが表れるとより良いと思います。
安井会員様のクロッキーは頭部からつま先まで、全身を画面に収めています。
クロッキーでは描き出した箇所を手がかりに、重心を探り、全体を描くため、全身を収める難しさがありますが、非常にバランスよく描かれています。
藤波会員様のパステルによるクロッキーは、線の強弱、ハーフトーンも美しい仕上がりです。
パステル特有の柔らかさが人体のボリュームにマッチしています。一見すると人体の描画にはそぐわない色彩、ブルーが清涼感を感じさせます。
小松会員様は人体と髪や椅子の固有色を描き分けています。
使用した赤茶のクレヨンのタッチが人体の温度を感じさせます。腰から足にかけての繋がりが明瞭になるとより良いと思います。
池野会員様は2色のブルーのパステルを使用しています。筆圧によって飛散したパステル粉に対象を描こうとする情感を感じます。
効果的に人物の持つ温度となって現れています。
人物を描く際に、その多くの場合、写真をもとに描かねばなりません。
モデルと対峙することではじめて見えてくる人体の美しさは、クロッキーならではの醍醐味です。
是非今後の制作に役立てていただければと思います。
メッツ銀座絵画教室では講師が担当曜日にそれぞれ特色をもった企画講習会を開催しております。
それと同時に教室共通の企画講習会を会員さまのニーズを汲み上げ開催するようにしております。
会員の皆さまには、ご自身のご希望にあった講習会が有れば普段は指導を受けていな講師だからとご遠慮なさらずに、積極的にご参加ください。
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月曜日担当 講師佐竹より