TN会員さまの水彩画

こんにちは、木曜日担当の小牟田です。
今回は、TN会員さまの水彩画をご紹介いたします。
 
 

 
 
ご覧いただいてわかる通り、非常に爽やかな作品になります。
画面の半分を水辺の風景にする大胆な構図と、水彩のタッチで、表現豊かに描かれています。この構図のおかげで、T会員さまの制作意図がはっきりと伝わり、水の透明度がよりダイレクトに感じることができました。
 
この作品の最大の魅力は、筆跡の集積ではないでしょうか。
筆を画面に丁寧に置き、絵の具を重ねること。モチーフ(資料)とご自身の絵にきちんと向き合っている姿勢がこのような密度のある表現に結びついているのだと思います。
水面と遠方に見える山側と、タッチを微妙に変化させているので、水面は横へ広がり山は立
ち上がり複雑な起伏を想像させます。
絵の具の濃度とタッチの繊細な違いによって表現されているのが、この絵を鑑賞していて心地よい気分になります。
 
 

 
 

 
現在制作しているのは、室内の風景です。それも、逆光の室内です。
 
 

 
 
難易度の高い絵だと思うのですが、よく見ると暗さの中に外気を感じさせる色味を含んでいます。
 
絵は見えているもの描くだけでなく、そこから感じられる空気感のようなものが魅力に繋がります。T会員さまの作品はどれもそういった、空気感や情感を感じさせます。
しっかりと密度をもたせながら、水彩らしい淡い仕上がりになっていくのはT会員さまの絵の特徴のように思います。この絵の仕上がりも楽しみです。