皆様こんにちは。銀座教室の土曜日クラスを担当しております講師の杉本です。今回はI・N会員様の点描画をご紹介します。
この洋館は地元の名匠・堀江佐吉一家が建築を手がけました。戦前は旧陸軍の第八師団長の官舎、戦後は弘前市長の公舎として使われた由緒ある建物です。
この大正ロマンを湛える青森・弘前の洋館は登録有形文化財に指定され、現在は喫茶店として活用されています。
I会員様は製図用のペンを駆使し、点描でありながらも対象を克明に表現しています。建物の細部の構造を細やかに追いつつも、機械的にならずに建物の空気感を捉える事が出来ています。
微細な点描によるトーンが、空気の流れや淡い陽の光を感じさせるようです。主役である洋館を、周囲を取り巻く雰囲気も一体として表現できている事が、追究の成果であると思います。
一方、遠景をどの程度描くか苦心していた時期もありました。本画に入る前の検討の時間をさらに充実させて、描画を更に深めてほしいと思います。