皆様こんにちは。銀座教室の火曜日・土曜日を担当しています講師の杉本暁です。
今回は木曜日クラスの藤峰会員様の水彩とアクリルを使用しての模写作品をご紹介いたします。
この作品は、ルネサンスの画家パオロ・ウッチェロ(1397~1475)の油彩大作『森の中の狩猟』に登場する騎馬人物を描きとったものです。
声を張り上げて従士や猟犬に指示を出す人物と、手綱を引かれて体の重心を後方にずらす馬の動きを活き活きと描いています。背景では木々の重なりを繊細に表現し、緑の柔らかな彩色と相まって森の奥深さを感じさせます。
ウッチェロがオリジナルの作品を描いた15世紀は、絵画の技法が写実に向かう中、平面性を持った中世絵画の静的な人物表現が生き残っていた時代でした。藤峰会員はこの模写作品で、時代特有の端正な描画のありかたに触れつつ、水彩絵の具の特性を活かした空気感の表現にも成功しています。
古典作品の模写を通じてご自身の絵画技法を磨く藤峰会員。次回作も期待しております。