石原会員様の水彩画ご紹介

こんにちは、メッツ銀座絵画教室講師の三津です。
今回のブログでは石原会員の作品をご紹介したいと思います。
 
 

 
 
丹念に描き込んだ水彩作品です。
画面の隅々にまで緊張感がみなぎったとてもいい作品になっております。
モチーフの描写も素晴らしいのですが、この作品をとてもよく見せているのは何といっても布の模様でしょう。
 
マスキングインクを使用することで最低限の手数で最大限の効果を得ることに成功しています。水彩の場合は特になんですが、手数が増えてくると絵の具がもたつきやすくなるので描く前にどういった工程で表現するかを考えておかなければなりません。石原会員の場合、試し紙に何通りも試作をして工程を確かめてから本紙に移ることで描く上での注意点や、モチーフの特性を意識して制作ができています。
 
歴史に残る作家の面々も一つの作品を作るうえで何度も試作を重ね名作を作り出してきました。それは作家ごとに目的は違うと思いますが、本作において修正を少なくすることにつながり、完成までの途中経過の確認にもなっているのでしょう。
 
皆様の中にも描いている途中に、始めのうちにこうしておけばよかった、構図はもっとこうしたかったと思う方がいらっしゃるかもしれません。そういった方は、いきなり本作に向かうのではなく試作やドローイングをしてから本制作に入ってみるのもいいのかもしれませんね。