メッツ銀座絵画教室の山本です。最近、新しい会員さん方が増えアトリエに活気がでてきました。入会して半年以上経つ会員さん方はデッサンから油絵、水彩など色を使った技法へと移行する方も多く見受けられます。
今回は去年8月に入会され、今年4月から油絵をスタートされた永山会員のデッサンを一枚目からご紹介します。油絵を始めようかと考え中の会員さんのご参考にしていただければ幸いです。
1枚目は林檎のモチーフです。球体の立体感を輪郭線に頼らず描くことが重要になります。林檎の質感もでており反射光もきれいですが、蔕のまわりドーナッツ状のくぼみが強くなってしまいました。一番難しい箇所になるので強い部分を練りゴムを使いながら弱め、鉛筆で滑らかなグラデーションが描けると更に良いでしょう。
2枚目は円柱の幾何形体です。楕円が歪んでしまっていますが、左右対称にするにはスケッチブックを回転させながら描くとやり易くなります。
3枚目はトマトをレモンです。鉛筆のあつかい方が慣れてきたのが分かりますね。トマトの赤、レモンの黄色の対比が良くでています。トマトの蔕がもう少し強く描けたら更に良くなったでしょう。
4枚目は苺とパンです。練りゴムを使って明るさをキープしながらも細かい描写ができるようになりました。描写も粘りつよく、永山会員のこだわりが表れている良いデッサンですね。
5枚目はワイン瓶です。2枚目の円柱に比べて形を正確に捉えることが出来るようになりました。鉛筆を立たせて何度も重ねることでガラスの透明感や質感が描けていますね。
6枚目はヤシの実と花です。モチーフの難易度が上がり、花びらの描写に大変苦労されましたが、台の布をワントーン暗くすることで花びらを白く立体的に見せることに成功し、最後まで諦めずに8回目で完成させました。この一枚で技術とともに精神力もつき、何度も描き込め深みを出せる油絵が向いているとことがわかりました。
7枚目は鴨です。2つ以上モチーフがある場合は関係を描くことが重要となりますが、今回の鴨では一体のみに集中をして立体的な形の表面の模様を細部まで描ききることを目標にしました。練りゴムで外側から輪郭線を弱めることで回り込みが生まれ、2Bの鉛筆をねかせながら調子を重ねることで深みが増しました。
8枚目はアバタのヴィーナスです。石膏像は初めてなので形のとりやすい横からの角度で描きました。今まで描いてきたデッサンの技術がしっかりと活かされていますね。おでこ上辺りから側面までの距離がだせると更に良くなったと思いますがアバタや髪の毛、顔の表情までしっかりと描ききっており、油絵に移るまえの文句なしの一枚となりました。
油絵一枚目に取り掛かる永山会員です。メッツ銀座絵画教室に通う以前にボタニカルアートを経験されていたので一枚目からもう技術はありましたが、上達したいという意識が高く、油絵も時間をかけてじっくりと制作されています。現在は画材にも知識をひろげて試行錯誤を繰り返しています。
初心者の方はもちろんですが絵画を学びたい上手くなりたいという方にも完成するまでしっかりとご指導させて頂きます。永山会員の上達をこころから期待しております。