清水会員様の水彩画模写

こんにちは。銀座校の金曜日担当の講師の森です。
 
今回は、金曜日にお越しいただいている会員さまの中から、清水会員の水彩画を紹介したいと思います。
 
 
 

 
 
資料を参照しつつ描いた人物画です。モデルはシンガーソングライターのマデリン・
ペルーです。
 
この絵について触れる前に、清水会員さまの制作風景を見ていただきたいと思います。
 
 
 

 
 

 
 
もととなるマデリン・ペルーの写真だけでなく、好きな画家の作品画像(ポストカード)
を並べて、制作のヒントとして活用されています。
 
この画家はフランク・ブラングィンというイギリスの画家で、
特徴的なタッチで人物や風景を描いています(国立西洋美術館に所蔵作品があるので、
見たことのある方もいるかと思います)。
 
絵画制作を行う上で、参考資料は非常に大事で、清水会員さまも、ただ写真の通りに
描くだけでなく、ときおりフランク・ブラングィンの作風を意識しながら制作されていました。具体的には、人物の腕や鎖骨のあたりの陰影表現が、色面で塗分けているような、ザックリとしたとらえ方で描いているところなんかが、画家の影響を強く受けているところなのではないでしょうか。
 
とはいえ、写真と絵画の両方を参照するというのはなかなか難しいところもあり、同じ個所を何度も何度も手直しを加え、およそ1年ほど試行錯誤を経て、先日、ついに完成に至りました。
 
人体のところはもちろん、手前の緑のソファや、黄色い服の質感、さらには少しぼかして表現されている背景のレンガまで、細部へのこだわりが光っている一枚になりました。これほどまでに完成度の高い水彩画はなかなかないと思います。
 
次の一枚にも期待しております。
 
また、清水会員のように、「こんな風に描きたい」という資料をお持ち頂いて、制作の糧にするのもおもしろいかもしれません。