香取会員さまの作品のご紹介

日曜日、朝昼、水曜日、朝昼を担当しております講師の髙村です。
今回は、香取会員さまの作品についてご紹介いたします。
香取さまは油絵に取り組まれていて、ご自宅で描かれた作品も多く、
たまにお持ち下さり拝見させていただいています。
今回は近作一点をご紹介させていただきます。
 
香取さまの作品は多くが複数の画像を素材として
それらを再構成なさっておられます。
こういった作品を作っていく際にはもとはバラバラの素材ですから
それらを一つの画面として統一してゆく難しさがあります。
 
 

 
すこし画面の反射が気になりますが、
これは複数回に渡って施した透層(下地を透かせながら行う彩色)によるもので、
実作では絵具の効果による空間の表現が豊かになったように思います。
これは先述した複数の画像相互の折り合いをつけてゆく上で効果的でした。
また、ご本人がパソコンを用いて画像を編集しエスキースを丁寧に作られ、
制作の経過を写真に収めておられる事も関係します。
この方法はマチスが有名な先声といえますが、
画面に於けるご自身の作品の変化を視覚化して注意深く取り組まれて
いらっしゃるので、絵具の用い方にも工夫が見られ
拝見している私も次はどうなるかと楽しんでいるところです。
これからも画に於いて起こる不思議な効果や変化をくみ取りながら
研究を楽しんでいただきたいと思います。