小林会員、鈴木会員 石膏デッサン作品紹介

メッツ銀座絵画教室、月曜、土曜担当の三津です。
あちらこちらでさくらが満開です。
「春」真っ最中ですね。
今回のブログでは石膏の大顔面(面取り)を描かれている鈴木会員さまと
小林会員さまの作品を紹介させていただきます。
 

こちらが大顔面(面取り)の石膏です。
面取りとは元々の石膏の形を大作りに面で捉えた石膏の事で、石膏デッサンを学んでいく上で重要になってくる大きな面を把握しやすくなっています。
元々の大顔面は下の画像になります。
 

デッサンをしていく上で、描き始めから表面の細かな情報を意識し過ぎると大きな形態を捉えにくいので先ずは大まかに形状を捉えていくことが大事です。
そうは言っても目の前にモチーフがあるとどうしても細かな情報に目が行きがちです。
そんな時に面取りの石膏を描くと髪や目周辺等の目の行きやすい細かい部分がどのように大きな面で形成されているかが分かると思います。
 

制作中の様子です。この日は朝から寒く、休む会員様が多い中、お二人は普段通り来校されて黙々と制作に励んでおられました。
それでは個々の作品を見ていきましょう。
 

こちらが小林会員さまの作品になります。
本日で6回目の制作になります。
今日の制作では石膏の大きな明暗を描き分けた段階で微妙な形の狂いを修正されました。
描き出しにとった形というのは完璧な事はまずないので制作しながらの細かな修正が必要になってきます。
石膏の場合は特に形の整合性が問われるので狂いを見つけたらその都度修正していくことが理想であります。
今回の修正点としては顔の右側面が見え過ぎていて、目が少し小さくなってしまっていたのでどこが違うかを確認しつつゆっくりと修正していきました。
その結果徐々に印象が合ってきていますね。
修正のやり取りをすることでグレーの幅も増えつつあります。
次回は明るい中のトーンに幅を出していけるといいですね。
続いて鈴木会員さまの作品です。
 

こちらはまだ2回目の制作です。ゆったりとあたりを付けながら制作されています。
石膏を描く場合、初期段階は極力ゆっくりと制作する事をお薦めします。
石膏をしっかりと観察し、幾度となく角度、位置を計り、あたりを探っていけるといいですね。
どれだけ丁寧に探っても後からの修正はあるとは思うのですが、この時期の仕事をおろそかにすると良い作品は生まれません。
ここから徐々にトーンを入れていく事になりますが、トーンを入れた事で見えてくる狂いもあると思います。
焦らずに修正を繰り返していきましょう。

小林会員さま、鈴木会員さまは1枚の作品にしっかりと時間を掛けながら仕上げられます。
それぞれ1枚の作品に掛ける時間というのは差があると思いますが、その差は優劣ではなく出来上がる作品の方向性や、各々の趣向、性格によるものだと思います。
時間を掛けなければ表現できない事もあれば、時間を掛け過ぎては失われてしまう絵の魅力もまたあるという事ですかね。
お二人の場合は時間を掛ける事でしっかりと作品が成熟していきます。
どの段階においても狂いを見つけられればそこを改善することで作品がより良くなることに繋がります。
なので、今回もゆっくりとモチーフと対峙していきましょう。