こんにちは。水曜日、日曜日を担当しています講師の永瀬です。
今回は、メッツ銀座絵画教室にご入会されて1年余りとなる
今井会員さまの作品をご紹介します。
今井会員さまは、絵は未経験でしたので、半年間はデッサンを学ばれました。
最初にご紹介するのは、今井会員が初めて描いた静物デッサンです。
苺と桃を鉛筆で描きました。
それぞれの固有色の違いを上手く表現出来ていますね。
桃は陰影の出来方が捉えきれていないため、立体感が弱く感じます。
また、接地面に出来る影と桃の底部の陰との色の関係が描ききれていないため、
桃が台から少し浮いた感じがします。
苺はやや単純化していますが、うまく陰影をつける事が出来ています。
次にご紹介するのは、今井会員さまがデッサンを始められて3ヶ月目に描かれた、
かぼちゃとズッキーニのデッサンです。
一枚目のデッサンに比べて、とても上達していますね。
モチーフの形状をしっかりと捉えています。
稜線や反射光の存在を意識して描くことが出来ていますね。
接地面もしっかり描けているので、モチーフをとりまく台の空間を感じる事が出来ます。
そして鉛筆の調子に柔らかさと深みが出てきました。
次にご紹介するのは、今井会員さまがデッサンを始められて、半年後に描かれた
鴨の剥製のデッサンです。
鉛筆の調子を明るいところから暗いところまで、
とても幅広く、豊かにつくることができていますね。
柔らかな光と影で、包みこむように、モチーフを捉えています。
鴨の骨格や筋肉を理解し、意識することで、より真実味のあるデッサンになるでしょう。
このデッサンの後、今井会員さまは水彩画を始められました。
最初に描かれたのは、企画授業の題材であります、写真を元に描く風景画です。
透明水彩の色の美しさをとても引き出せています。
画面下部の緑の表現など、混色して色味を作ることが、よく出来ていますね。
広い空間を空気遠近法できれいに表わせました。
次にご紹介するのは、テーブルに綿布を敷いて本を置き、その上に玉葱束を置いた静物の水彩画です。
このモチーフの空間をとても自然に、柔らかく表現されていますね。
本の陰影の表現では調子が美しく、明るい光の存在を感じます。
玉葱はさらに細部を描き込んでもよいでしょう。
最後にご紹介するのは、テーブルに薄緑色の布を敷き、
かぼちゃとパプリカ、レンガの上に洋梨を置いた静物の水彩画です。
柔らかで明るい光が画面に満ちています。
それぞれのモチーフの色彩は調和し、とても綺麗です。
構図は安定し、形体感の表現も上達されていますね。
制作中の今井会員さま
今井会員さまの制作には、気負わず自然体でモチーフと向き合っている印象を受けます。
その作品の印象は柔らかで、観察して描くことの楽しさ、面白さが、いきいきと表現されていて素晴らしいと思います。
これからもさまざまな風景や静物などを
美しく描くことを楽しんでいただきたいです。