野洲会員様の水彩画ご紹介

こんにちは。月曜日担当講師の佐竹です。
今日は野洲会員様の水彩画をご紹介させていただきます。
 

野洲会員様は一昨年のご入会から、鉛筆デッサンを通じて描画力を身につけられた後、
現在は水彩画の制作に取り組んでいらっしゃいます。
野洲会員様の水彩画制作においては、緻密な鉛筆デッサンを下敷きに、
透明感あふれる彩色が特徴です。
ディティールへの細やかな観察と面相筆を用いた繊細な描画、
淡い色彩の重ね表現がモチーフに肉迫します。
野洲会員様のスケッチブックから数点をご紹介させていただきます。
 
制作中の野洲会員様です。写真をモチーフにした企画授業「山の描き方」に取り組まれています。
緻密なタッチで描かれる野洲会員様の魅力的な水彩画。今後益々の展開を期待致しております。
 


ブリキの車を透明水彩で描いています。
ブリキの古びた質感を細やかな筆のタッチで追いかけています。
光と陰の描き分けが、モチーフ単体を描く際には重要になります。
古びて色の黒くなったボディの固有色と、陰との描き分けがさらに明瞭になるとより魅力的です。
 

ブラックバスの置物です。
鱗一枚一枚を丁寧に描くことで、置物より一層のリアリティがあります。
細部を描く際には、光と影の境目(稜線と呼びます)をポイントに筆を進めると要所を押さえた仕上がりが期待できます。
 

キャンティ・ワインボトルとグラス、柄布地を構成しています。
キャンティはボトルを包む樹皮の質感とボトルそれ自体の硬質さを描き分けることがポイントになりますが、
深い青が積極的に対比をみせています。
テーブル上の布地の柄を丁寧に追いかけることで、遠近を出すことにも成功しています。
 

カモの剥製です。
毛並みの質感を丁寧に描くことで、モチーフ全体の丸みをも感じさせます。
足下は異なるモチーフ、岩との組み合わせ(合成)で描きました。
陰の落ち方も自然に、効果的な演出となっています。
 

籐編み篭にザクロです。
構成も野洲会員様自ら配置されました。
籐編み籠の細部の描画もさることながら、ザクロの色彩の再現に目を見張ります。
色彩の混色はパレット上で、調色することは勿論ですが、下地との関係、画面に筆をのせた際の確認がとても大切です。
淡い色彩が重層することで、深みのある色彩、モチーフのリアリティが表現されています。