小林会員の油彩画紹介

今日は水曜日、日曜日を担当しております講師の永瀬で す。
今年もあっという間に7月になり、雨や曇り日が続くうっ とうしい季節画やって来ましたね。
雨は本当にうっとうしいのですが、木々の緑がとても美し く映える季節でもありますね。
 
今回ご紹介するのは小林会員の静物油彩画です。
小林会員は長年油絵を描かれていて、
メッツ銀座絵画教室に入会された2011年4月からは、
静物画や風景画を中心に制作されています。
 

今回ご紹介する作品は、
紺の布が敷かれたテーブルの上に、アバタのヴィーナス石膏像とにんにく束、
ウィスキーボトル、そしてレモンが置かれた静物油彩画です。
 

アバタのヴィーナス石膏像では、
頭頂部を明るめの色調で、そして顔全体を影の色味のグレーの色調で描くことによって、
上方に光源があることを、そして像の立体感をしっかりと表現しています。
 
頭部だけではなく、台座まで含めて諧調豊かなグレーの色味で、
石膏像の重量感までも感じられるほどに表現しています。
 

ウィスキーボトルでは、空瓶の透明感と形体感を的確に表現しています。
奥に見える向こう側のラベルの色味など絶妙ですね。


にんにく束では、藁や唐辛子を躍動感あふれるタッチでいきいきと表現しています。
にんにくの表現では、何度も塗り重ね、石膏像のトーンとは異なる、複雑な色味を感じさせるグレートーンに仕上がっています。
 

次の作品を制作中の小林会員。
 
小林会員はしっかりとモチーフを捉える力量があり、
また構図や、背景まで含めた配色において積極的に「絵作り」する感覚が見れます。
 
今回の作品の背景では、実際の壁の色とは異なる
グリーンの色味にピンクのさし色が入り、
他のモチーフをとてもよく引き立てていますね。
 
これからも積極的に油絵と向き合って、素晴らしい作品を描いていただきたいです。