皆様こんにちは。
土曜日を担当しております講師の杉本です。
今回は渡邉会員様の油絵をご紹介します。
バスタブで気持ちよさそうに水浴びをする猫。
この作品はフランスの画家ピエール・ボナールの「浴槽の裸婦」のオマージュです。
原作では画家の妻・マルトが描か描かれていますが、この作品のモデルは渡邉会員様に
飼われている猫がモデルとなっています。
生き生きとした動きが伝わり、啼き声も聞こえてくるように感じられます。
技法の面では、光を色に置き換え、柔らかな筆致を用いるボナールの画風を取り組むことが
出来ています。
仮想の落ち着いた絵の具の色彩と、上層の明るい絵の具の色彩が重なり、深みのある色合いが出ています。また、顔の表情などの意図的な曖昧さが、画面全体の調和を保つ役割を果たしています。
渡邉会員様はご自身の猫をモデルや参考にして、油絵を制作されています。
猫を実際に飼うことによって見出す事の出来る、しぐさや雰囲気などの細部への観察が、
絵をさらに光らせるのではないかと思います。
次回作も期待しております。