新宿教室/T会員様の水彩画

こんにちは。メッツ絵画教室新宿校で木曜、日曜を担当している講師の山田です。
今回は、T会員さまの水彩画をご紹介いたします。
 
 

 
 
こちらの静物画は、T会員さまにとって水彩画では3枚目となる作品です。様々な質感が組み合わさった難易度の高いモチーフでしたが、これまでの鉛筆デッサンで培った丁寧な観察力と描写力に、水彩ならではの透明感のある色味が加わったとても美しい作品に仕上がりました。
 
りんごのつややかで瑞々しい質感、トウモロコシの粒の立体感、アンティーク小鍋の独特の色味や風合いなど、それぞれのモチーフの特徴がしっかりと描かれていて見ごたえがあり、りんごとトウモロコシをつなぐドライフラワーの枝が、画面を横断する動線として機能している点も効果的です。
 
また、印象的なのは布の表現です。最初は布の複雑な模様をどう描くべきか悩んでいるご様子でしたが、あえて柄は描き込み過ぎず、水彩の淡い色の重なりや滲みを活かして馴染ませるように表現しました。このように、画面のすべてを緻密に描き込むのではなく「見せたいところ」と「抜くところ」のバランスを意識して描写をしたことで、メリハリのある洗練された作品が完成したと思います。
 
 

 
新しいモチーフで水彩画を制作中のT会員さまです。
次回作も楽しみにしております。