企画講習会

「ガラスの器を描こう」をメッツ銀座絵画教室特別企画講習会として、一週間各曜日を通して行いました。
ガラス器は人気のあるモチーフですが、透明感や光の反射や屈折など、どう描けばいいのか戸惑う方も多いと思います。
シンプルな形のロックグラスを用いて、描き方のポイントを示しながら制作していただきました。
それでは各曜日の様子を見ていきましょう。
 

火曜日は昼2名夜1名の合計3名のご参加でした。
昼は水彩を始めて間もないお二人が挑戦しました。講師の絵を参考にしながら制作しています
 

横山会員の作品です。ガラスの硬質な感じが出ていますね。
 

鎌田会員の作品です。透明感とガラスの冷たい感じが出ていますね。
 

講評会でお互いの作品から学び合いました。
 

夜はお一人なので、参作を独り占めできてある意味贅沢な環境で制作されていました。
 

ガラスの反射や映り込みを細かく捉える事が出来ていますね。
 

木曜日は3名の会員さまが参加されました。
2時間半で仕上げなくてはならないので最初の1時間はロックグラス 正確に鉛筆で捉えてから着彩に入ります。
皆さんグラスに水を入れて好きなモチーフを組み合わせて描かれました。
 

リボンを入れた横の構図が目を引きますね。
淡いトーンが綺麗ですがシャープな見せ方が加わると更に良いでしょう。
 

ガラスの無彩色と釣り用の浮きスッテの明るい黄緑が相性よく映えて見えますね。
水面の歪みも面白い表情が出ています。
 

サクランボがガラスに張り付いて水面が山のように盛り上がっているのが面白いですね。
少々楕円が歪んでしまいましたが青味、赤味のバランスが良いですね。
 

みなさん描きどころの少ないガラスにそれぞれ個性を加え、少ない手数でも見応えある作品を描き上げていました。
 

金曜日は昼夜それぞれお一人のご参加でした。
まず描く素材と、またガラスの器にアレンジを加えるかを決めてから導入を描きながら説明して、いざ制作!
お昼クラスのKさんは水彩を選択。
グレーやハーフトーンの出し方を説明後、制作開始。
 

 

普段は油彩で制作されていますが、久しぶりの水彩でも楽しんでガラスのコツを掴んでいました。
 

夜クラスのTさんは水彩で、水とガラスのコツを何度も質問して沢山の参考作品で納得と理解をしながら制作に着手!
普段塗り過ぎるアルシュ紙よりケント紙は淡くのるので水彩らしい導入です!
 

 

 

普段の水彩で塗り過ぎてしまうとのことでしたが淡さを残して逆に締めるとこを締める、ガラスや鉄のようなギラッとした質感に共通するポイントの再確認をできました。
 

土曜日は8名の会員さまが参加されました
三津講師が効率良く描く手順を実演しながら説明しています。
 

水彩画の会員さまは背景に緑色の布を敷き暗い色を重ねてケント紙の白色を際立たせます。
 

葉が大きいので構図に苦労されていた様子でしたが、ガラスの底面がしっかり描かれているので安定感のある仕上がりになりました。
 

ケント紙の白を際立たせるため青とグリーンを何度も重ねて進めます。
水彩紙に比べてケント紙は水を吸い込まないのでムラになりやすく慣れるまで苦労されている様子でしたが、逆に色ムラを活かした絵となりました。
 

ガラスの厚みが良く出ています。
中に入っているくるみの断面が絵作りの良いアクセントとして効いていますね。
 

ガラスの中に入っている乾燥ザクロが底に影をもたらしています。
底面を暗く描くことでグラス側面の透明感が表現出来ていますね。
無駄な手数が少ないのでハーフトーンまでしっかり出ています。
 

みなさん、他の会員さまの講評までしっかり聞かれていました。
午後は初めて水彩画を描かれる会員さまも多く、今回の企画授業で手軽に始められていました。
 

鉛筆を斜めに入れたことで構図に動きが出ていますね。
背景の暖色がガラスのシャープさをより際立たしています。
 

普段は時間を掛けて描き込みをされる会員さまですが今回は一日描きにチャレンジされて、とても大変だったようです。
浮きの魚の顔としっぽの針がこの絵の主役になっているのでガラスの描き込みが少なくても違和感がありませんね。
 

トランプを入れて午前午後の2コマで制作されました。
ケント紙の表面がツルツルしているので描き込みがやりにくかったそうです。
現象のひとつひとつを追っていてトーンがやや単調になってしまいましたが質感まで迫った絵になっていますね。
 

パステルで青色とグリーン色を指で馴染ませながら進めていきます。
始めは筆圧が弱かったのですが後半から元気良く積極的に描かれていました。
仕上げに白色を加えることでハイライトが生まれて立体感が出てきています。
 

今回の企画は難しかったとの声が多くありましたが3回目の企画だったこともあり、みなさん積極的に新しい描き方を学ばれている様子でした。
 

日曜日は水彩画でのご参加でした。
普段は水彩で写真を元に風景画を描かれている会員様です。
 

透明水彩らしい明るく柔らかい色調です。
テーブルに落ちている影や光の反射などを上手く取り入れながら描いていますね。
ガラスの透明感は良く出ていますが、強い調子が部分的に足りないため、ガラスの硬質な質感やロックグラスの形体感は弱く感じます。
 

上記のアドバイスをさせていただいた後、加筆して完成です。